Lazy Diary @ Hatena Blog

PowerShell / Java / miscellaneous things about software development, Tips & Gochas. CC BY-SA 4.0/Apache License 2.0

「クラウド」と「情報流出」の区別がつかない人

クラウド」と「情報流出」ってどう違うの? どちらも、自分だけしか持ってちゃいけない情報が、誰かのところに行っちゃってるじゃない。

みたいな話をされたわけですよ。

この発言をした人は、スタンドアロンで動くアプリケーションと、ネットワーク上で動くアプリケーションとの区別はできているわけです。そういった意味で、「ケータイ変えたのでTwitterのアカウント変わりました」みたいな、一般的なメディアリテラシー*1の持ち主よりは、情報の取り扱いについてよく考えている。ただ、なまじっかよく考えているばかりに、「クラウドは信用ならん」というどっかの偉いさんみたいな反応になってしまったようです。

よく考えてみると面白い話です。クラウドの仕組みを理解していく各段階で、クラウドが信用できたり信用ならなくなったりする現象が複数回起こるのでは、という仮説が立てられます。

  • (1) 何も知らずにクラウド上のサービスを利用している → 信用できる*2
  • (2) クラウド上のサービスはどこかのだれかのサーバで動いている、ということを知った → 信用ならん
  • (3) 暗号化技術とかまで含めてクラウドの仕組みを理解した → 信用できる
  • (4) クラウド上のサービスが提供している機能の実装はブラックボックスだから信用しない → 信用ならん
  • (5) 完全には信頼*3できないハードウェアの上でサービスを構築する技術について理解した → 信用できる

クラウド」が何を指すかにもよりますが、冒頭の発言は上記(2)の段階で行われたものと推測できます。

また前述の偉いさんの発言は以下のいずれかではないかと思われます。(c)だったらちょっと面白いですが、ハンロンの剃刀という言葉もありますし、それに(c)だったとしても結局外してそうですしね。

  • (a) 上記(2)の段階で行われた
  • (b) 上記(4)の段階で行われた*4
  • (c) 自身の理解の段階とは関係なく、自社サービスの利用者の多くが(2)の段階にあると考えた

さて、みんながみんな上記(5)の段階へ至ることは不可能なので、どこかで折り合いをつける必要があります。こないだ読んだ、夏茄「童童の夏」(ケン・リュウ編、中原尚哉訳「折りたたみ北京」収録)からの引用ですが、こんな感じで捉えられるといいですね。

もちろんこの計画には危険もあります。すこし考えただけでも、プライバシー、セキュリティ、犯罪者によるテレプレゼンスの悪用、誤動作、事故などの懸念があります。でも技術的変革はすでに起きたのですから、結果を受けとめ、望ましい結論に持っていくべきでしょう。

*1:メディアリテラシーを修めたエンジニアに囲まれて暮らしていると気づきにくいけれど、実際はこのくらいが最頻値みたい

*2:というか、何も気づいてない

*3:稼働率的な信頼性ではなく、セキュリティ的な意味での信頼

*4:SaaSとIaaSをごっちゃにしてる感はありますが……