文化庁の出している常用漢字表 *1 には康煕字典体と常用漢字の対応が記載されている。ただ詳しく調べてみたら、対応の記載自体に以下のようなコーナーケースがあるみたい。
- 「著しい差異のないものは省」かれているので「頬⇄頰」のような対応は記載がない。
- 康熙字典体と常用漢字が一対一対応しない場合に、記載のないケースが見受けられる。たとえば「辺⇄邊」はあっても「辺⇄邉」はない、「闘⇄鬭」はあっても「闘⇄鬪」はない。
- 当用漢字表と常用漢字表で字体が変わったものは記載がない。たとえば「礼⇄禮」はあっても「礼⇄礼」はない。
ほかにも、出典が常用漢字表なので、新字が常用漢字でないものは記載がない。たとえば「鴈⇄雁」はないし、「禎⇄禎」もない *2 。 新字・旧字の変換に使おうと思ったら、常用漢字表自体を全数として処理する場合以外は注意が必要そう。
*1:https://www.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/sisaku/joho/joho/kijun/naikaku/pdf/joyokanjihyo_20101130.pdf
*2:この手の漢字は安岡孝一「人名用漢字の新字旧字」( https://dictionary.sanseido-publ.co.jp/columncat/%e6%bc%a2%e5%ad%97/%e4%ba%ba%e5%90%8d%e7%94%a8%e6%bc%a2%e5%ad%97%e3%81%ae%e6%96%b0%e5%ad%97%e6%97%a7%e5%ad%97 )にたくさん例がある。