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PowerShell / Java / miscellaneous things about software development, Tips & Gochas. CC BY-SA 4.0/Apache License 2.0

Bing Chatによる情報集約はOSINTに利用できるか?

Bing Chatはいろいろなサイトから集めた情報を集約して質問に回答してくれるので、この能力をOSINTの際に複数の情報を集めて結びつけるのに使えないか?と考えて実験してみた。

たとえば、出入国・在留管理に関するシステムとしてFEISというのがあり、そのFEISには「外国人BL(ブラックリスト)基本情報DB」というのがあるということは総務省「外国人の受入れ対策に関する行政評価・監視 -技能実習制度等を中心として- 結果に基づく勧告」という資料に記載がある*1。また羽田空港での上陸審査時にブラックリストとの照合を行っていて、ブラックリストを作るための情報は警察等関係機関から入手しており、その中には顔画像情報も含まれるということは東京出入国在留管理局 羽田空港支局「羽田空港支局の現状と課題」から分かる*2。さらにこの「警察等関係機関」というのはたとえばICPOであるということは、出入国在留管理庁「出入国管理について」から分かる*3。またブラックリストに載っている情報として他に指紋情報があることは法務省行政事業レビューシートから*4ICPO以外にも国連安保理決議に基づく入国禁止措置を受けている人がブラックリストに載っていることは、衆議院情報監視審査会「令和元年 年次報告書」から分かる*5

……というのはGoogleで「入国 "ブラックリスト" site:go.jp」とかで検索すれば分かるんだけど、一方でBing Chatの回答は以下で、ブラックリスト自体がないことになっている。

次に、Bing Chatがちょっと回答に困りそう(回答がテキストデータだけなので)な質問として、日本年金機構 年金情報総合管理・照合システムのサーバ構成を聞いてみる。実際のシステム構成は、旧社会保険庁の「年金情報総合管理・照合システム サーバハードウェア設備等一式 調達仕様書」に以下の図がある*6

一方でBing Chatの回答は以下。詳細情報として示されたURLに部分的なシステムの情報は記載されていたが、システム全体の構成を示したURLは出てこなかった。